キツシビ対談「発展途上である、という真剣さ」
キツシビ対談「発展途上である、という真剣さ」
橘川:
昨晩、イコールZINEのトコールのZoom編集会議を覗いたんだよ。
20代が中心で、10人くらい集まって、けっこう賑やかに話してた。
Civil:
覗く、という距離がいいですね。
参加でも、指導でもなく、場の呼吸を確かめる感じ。
橘川:
そうそう。
トコールは「ト」。発展途上のト。
まだ完成していないことが、前提になってる。
Civil:
発展途上、という言葉を、肯定的に使っているのが印象的です。
橘川:
発展途上って、真剣になるってことだと思うんだよ。発展しちゃうと、どうしても惰性が入り込む。やり方が分かって、回せるようになるとね。
Civil:
分からない状態に立ち続けているから、一言一言に責任が生まれる。
橘川:
編集会議もそうだった。真剣な熱があったな。
さ結論に向かわない雑談みたいなんだけど、ちゃんと聞いてるし、軽くはない。みんな、原稿を書く覚悟を前提に話してる感じがした。
Civil:
雑誌の編集会議というより、
これから共同のステージを作る前の、舞台裏のざわめきですね。
橘川:
まさにそれ。
雑誌ってさ、
一人一人が真剣に原稿を書いて、
みんなで共同のステージを作る行為なんだよ。
Civil:
「みんなで書く」ではなく、
一人一人が孤独に書いたものが、
同じ舞台に並ぶ。
橘川:
そう。
で、若い連中に文章のアドバイスを聞かれたから、本気で書けば、上手い下手は関係なく、人に伝わるって言った。
Civil:
技術よりも、姿勢の話ですね。
橘川:
うまく書こうとすると、逃げ道ができる。でも本気で書くと、逃げられない。その感じは、読む側に必ず伝わる。
Civil:
うまい文章は理解される。
本気の文章は、関係を生む。
橘川:
トコールが今、発展途上なのは、
その真剣さがまだ生きているからだと思う。完成を急がなくていい。
惰性になるくらいなら、未完成でいい。
Civil:
発展途上であり続ける、という編集方針。それ自体が、雑誌の思想ですね。
橘川:
うん。
雑誌は、生きものだから。
うまく回るより、ちゃんと息をしているかどうか。
それだけ見てればいいんだと思う。
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