出版社とは何者か。

戦後の方法論が崩壊している。
橘川幸夫 2024.10.29
誰でも


あらためて「本」と「出版社」の存在意味を考えている。

それらの本質を探ることによって、やるべき未来が見えてくるはずだ。

出版社も最初は、自分たちの出したい出版物を出すためにスタートしたのだと思う。しかし、出版社が組織として成長すると、自分たちのやりたいことではなく、著者という外部の人間のやりたいことを実現する「代理店」になっていく。自分たちが作るコンテンツではなく、売れそうな外部のネタをプロデュースするだけになっている。

私は、戦後の出版社の代理店ビジネスの拡大の方法論ではなく、本当に自分や自分たちが発信したいことを表現する雑誌として「イコール」を立ち上げた。

私のスタートは「ロッキング・オン」「ポンプ」という発信者が主役になるメディアであり、最初の単行本である「企画書」のメインテーマは「代理人批判」であった。

近代のビジネスは、代理店ビジネスである。代理店が肥大すればするほど、最初の表現の動機が失われていく。モノを作る人とモノを売る人とでは、モノに対する想いがまるで違ってくる。

70年代までは日本の家電メーカーは、開発者が人生をかけて良いものを作ってきた。しかし、80年代以後、家電販売店が力を持ち、商品の主役であるメーカーをコントロールするようになった、現在、日本の家電メーカーは崩壊し、ヨドバシやビッグカメラという販売店だけが隆盛を誇っている。

私は、もう一度、表現やモノヅクリの原点にいる人と付き合い、新しい商品や表現を追求していきたい。ここに戻って、進まなければ、やがてすべてが代理店や販売店や金融機関に滅ぼされる。

すべての出来事の当事者に戻ろう。

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